僕のことを少し紹介するね。
名前はビッド。
祖父ゆずりの大きな黒縁メガネは度が合ってないせいで、すぐ転ぶ。
赤毛、茶目。身長はあまり大きくない。
あわてん坊のまぬけ、村の皆からそう呼ばれている。
なんて、村の人たちも覚えていないから、言われるわけないだけどね。
僕の村は、人口50人くらいのとっても小さい村だ。
いや、他にどれくらいの人が生きているか、わからないから、小さい村かはわかrないけどね。
村に残っている本を読む限りじゃ、50人は少ないってことみたい。
この村を出ては、僕は生きていけない。
忘れてしまうから。
皆、工夫して協力して、今日できる精一杯をして生きている。
そうしてないと、忘れてしまう僕らは生きていけない。
そう、生きていけないってわかってるけど、僕はこの村を出たい。
まだ見ぬ未知のものを知りたい。
そう、覚えていたい。もっと知りたい。
どうして、僕が、この世界中の人々が忘れるようになったのか、知りたいんだ。
本を読むとわかる。
昔の人は覚えているのが当たり前だった。
全て忘れることが、おかしいことなんだ。
原因があるに違いないんだ!
僕は毎日そう思う。忘れてしまうからね。
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