雪の蝶

それは、幻
幻なのに確かに存在する

手の上に落ちれば淡く溶ける

雪のように春になったら消える
淡く冷たく
そして切ない

涙がキラキラ落ちていく
底もなく流れ落ち
瞳は枯れる

心も枯れる
そんな時、現れるのが
雪の蝶

誰かの願いを乗せて飛び続ける
いく億もの時のせいで願いがなんなのかも忘れて
ただ、ただ、助けを求める心に反応するだけ
純白の翅がどんどん汚れていく

それが、雪の蝶





冬のまつりやさしさの詩