復讐という名の言葉たち


「絶対見返してやる! 負けてたまるか!」

 深く傷ついた私は涙を必死に堪えながら、言った。だが、私は負け続けている。涙と悔しい言葉を吐き続けている。そうしないと、また笑顔で顔を上げて進むことができないから。


 確かに、私の人生は負け続けだった。

 初めに入った会社では、年上の女性が多く、少し在職期間の長い女性の琴線に触れて注意を受けるし、教育係の先輩と絶望的に気が合わず、そうとう険悪な雰囲気が流れるし、環境は悪くタイムカードを八時間より一時間長く押しても、その分は残業代にはならなかった。その時、私に知識があったなら簡単に辞めずに、労働基準監督署に駆け込んで、調査に入ってもらえば良かったのだ。少なくとも、気は晴れてサービス残業の分のお金をもらえたかもしれない。最初の負けだ。余談だが、しばらくして、とある百円均一で働いた時、気の合わなかった教育係の先輩が息子を連れて買い物にきていた。その頃より痩せて幸が薄そうな雰囲気になっていた。年をとったからなのか、ずいぶん苦労した雰囲気になっていた。気のせいかもしれないが。私には気づかなかったようだ。十年以上経っていたので忘れていても不思議はない。


次は、IT系で派遣先がリーマンショックで打撃を受け終了し、派遣先がなくなった。次の派遣先がみつからず、派遣元の会社は小さな会社で、夜中の2時まで飲みに連れまわされ、本当にやっていけるか、と社長に尋問された。「仕事ならやっていけると思います」と言った。その後「お前の一日の賃金はいくらだかわかるか?」とか、豆腐を食べていただけで「そういうの可愛くない」だとか、「一緒にざこ寝とかできないよね」とか言われた。今、思うとセクハラだ。社長と一緒にざこ寝をしたくない。なんの話からその話になったかは忘れたが「そんなに不信を抱いてるならそこの警察署に行け!」みたいなことを言われ、売り言葉に買い言葉で、本当に行って警察署に保護された。同じ会社の女性職員の人が引き取りにきてくれた。そんなこともあり、辞めることが決定して、本当に具合が悪くて休んだのに「なんで出社しないんだ!」と怒っているのを女性職員に聞いて、出社したほうがいい!と言われて具合が悪い中、遅れて出社したこともあった。休み時間に今後のことを同じ派遣をしていた女性の友達にトイレで相談していたら、中年の男の社長なのに女子トイレのドアに耳をつけて聞いていた。この時点で、本当に意味のわからない社長だか、というか、警察沙汰な行動だが、その後の行動がもっとわからない。何を誤解したかわからないが、「この小さな会社を守る義務がある。ハローワークには言わないでくれ」と泣き出し、土下座してきた。どん引きだ。意味もわからない。すごい社長だった。そのまま辞めた。たぶん、その判断は間違えていないと思う。これは、負けたというかもう、なんの未練もない。考えてみると面白い職場だった。


そして、いろいろあり次のひどい目はパワハラ地獄だ。専務という一番エラい人に小さなミスで怒鳴り続けられ、意味のわからないことで怒られ、一時間ほど怒鳴り責め続けられ職場で倒れたこともあった。倒れてそのまま一時間ほど放置され「救急車を呼んでください」と言ったが、無視され、自宅付近に送られた。外聞が悪いからなのか、救急車を呼んでもらえなかった。その後は自宅で死んだようにひとりで寝ていた。救急車を呼んでもらいたかった。「仕事を辞めてください」と吐き捨てられて帰っていったこともあった。とある公的組織の天下り先の法人だった。きっと、その組織では、そういうことがまかり通っているのだろうと思うと日本はたいがいだと思う。自分が少しでも気に入らなければ、叩き潰す。従わないものを抹殺する。パワハラで訴えれば良かったのだ。しかし、一年以上怒鳴り続けられたら私は精神を病んでしまい、結局そのまま退職した。自律神経失調症だった。退職後、半年しても離職票を送ってもらえず、ハローワークからその職場に電話で言ってもらったが、体調を崩していたため、母親に代わりに電話してもらったりしたことを、「母親がでしゃばってきて!」というようなことをハローワークの職員さんに怒鳴っていたのが電話越しに聞こえてきた。どうしてそんなに離職票を出したくないのかはわからないが、文句を言っていたことだけはわかった。ハローワークの職員さんが「出していただけますね?」と3回強く言ったことを覚えている。了承したようだ。電話はその後、すぐ切れた。帰る時、ハローワークの職員さんは、申し訳無さそうな顔をして私に深くお辞儀をした。印象的な出来事だった。敗兵への憐れみのお辞儀だったように思える。


派遣会社で新しい試みので交通費のでる職場実習というようなことをしていたが、よくわからない子を二人も私と一緒に派遣してきた。そして、なぜか私が指導することになった。一カ月ほどで限界がきて、辞めることが決まった。私がいたから雇用にしていたと、そこの社長が言っていた。その二人は継続雇用しない旨を派遣会社に伝えたら焦っていたということだった。一緒に派遣されてきた二人は、私がやめたら、その職場の若い子が指導することになったが、その若い子が職場に来なくなっていた。なんで私の他に二人も一緒に派遣されたのかは謎だった。派遣の担当者から一言も説明もなかった。


岩手宮城中心のハウジングメーカーの派遣話。誰に何を聞いたらいいかわからない。指示系統が曖昧。あまり大手ではないせいか、これくらいわかるでしょ?的なノリで意味不明な仕事を振ってきた。そんなの入ったばかりの人にはわからないだろう、っていう内容だった。能力不足って話だったけど、それできる人は、長い人じゃないと無理でしょう。本当にちゃんとしているのか不安になるような内容の仕事を振られたりした。ちゃんと確認するために日々仕事をやっていないから確認に時間がかかり(主に確認した私が)これとこれ、数字が合ってませんということがあった(決算なのに!)良くも悪くも個人経営みたいな会社だった。みたいじゃなく、個人経営なのか。


大手自動車メーカーの派遣での話。この話を書こうと決意させた極悪の派遣先。まず、前の人が2週間で来なくなって、音信不通だったらしい。わかる。なぜかって、酷い嫌がらせを受けた。実質、16日しか出勤していないのに、4日目で10人くらいが煙草を吸っているところで「おはようございます」と言ったところ、「挨拶だけはいっちょ前だな」と言われた。その後もクレームもきていない事で酷く怒られたり、図太いだとか、自分だけさぼろうとしている、などと言われ、無視されたり、意味もなく後ろや通り過ぎる時に舌打ちをされた。店長は、私をみると舌打ちしていた。産休の人が戻るので(実際は派遣終了して、もう一人の人とふるいにかけるための口実のように感じた)2ヶ月で派遣終了となり、次の仕事のこともあるので、早めに辞めたいと言ったら、終了日の相談を私に直接してきて、いきなり「今日で終わりでいいよね?」と言ってきた。すごい笑顔だった。なんで最初から採用したのか、全然わからない。それに「それは派遣元と相談してください。手続きの関係もあるので5日後と言われていたんですが」と言ったら「あなたとこちらが同意していればいいでしょ」と言われた。どれだけ早く辞めさせたいのか。派遣元の担当者には、なんで派遣期間満了しないんだ、と言ったららしい。本当に怖い職場だった。この手で何人辞めさせた?と疑いたくなるような手腕だ。派遣は人間じゃないのか?と言いたくなる。いや、気に入らない派遣は人間じゃないんだ。店長の笑顔が忘れられない。もう一人、一緒の時期に入った派遣の女性は契約更新だそうだ。ここの車は絶対買おうと思わない。そのお店で買おうとしている人がいたら、必死に絶対やめさせると思う。その後、派遣元の営業の人もおかしくて、風邪で体調悪くて行けないって言ってるのに(ガラガラ声に鼻声と咳鼻水がすごい)最終日だから、出勤しろ、欠席の電話かけろ、と言われた。大手なのに、まるで奴隷商みたい。


大手(?)の物流センターの話。派遣の面談。無料で練習台になった話。相手は二人っていう話だったのに、いきなり若い人が面接に入ることになった。部長と主任と平の人。平の人が司会みたいだったのに、段取りが悪く、部長がイライラし始める。空気が死ぬほど重い。派遣なのに、圧迫面接?と聞きたくなるような内容でした。そして、すぐにお断り。元々からとるつもりなくて、若い人の練習させるために面談したんじゃないの?!っていう状況。無料で練習台になった挙句、完全に時間の無駄でした。悪質。





私は、負け続けていると書きましたが、私はこれが”負け”なのかはわかりません。

まだまだ増えるかもしれません。酷いことをされなければ、書きません。当たり前です。

もちろん、相手企業にも言い分はあるでしょう。ただ、これは、私から見た事実なのです。文章を書いているのが私である以上、主観は私です。私がひどいな、と思ったことがあれば、書き続けることになるでしょう。

企業を特定されるようには書いていません。もし、削除などを依頼されるということは、自分や会社に思い当たり、何かやましいことがあるということです。そうならないことを祈っております。不条理な圧力に負けることなどありませんように。

そして、これ以上、そういうブラックな企業で、辛い思いをする人が増えないことを祈ります。



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